とても大切な品質管理方法

反り曲がりの少ない安定したウッドデッキ材を作るために
木取り概念図

木材は原木から製品にするとき、それらの用途にあった適切な製材をする必要があります。

特に表面材として利用するウッドデッキ材は人が歩行するので、反り曲がって端が持ち上がったりすると危険です。 そのため、私たちは設置工事をした後で反り曲がりを最小限に抑えるため柾目挽きという方法で原木を製材します。 木材は芯に引かれるように反り曲がりますので板材の巾面が芯と接する位置関係にあると容易に変形する。(板目挽き材) 一方、板材の厚み面が芯と接する位置関係にあると変形しにくく反り曲がりが押さえられる。(柾目挽き材) 左の図で上側の板材が典型的な柾目挽き材で、下側の板材が板目挽き材になります。 実際の作業は原木を4分の1に帯鋸製材機で割って製材して行きます。

原木はこんな風に板材にされます
柾目挽きはカットする位置を数回入れ替えるためとても手間がかかる。 また、端の小さな製品は寸法が小さく板材にはなりません。 小さな角材を差し引くと板材の生産量が減少する。

一方、板目挽きは端から単純にカットして行くので手間がかからず短時間で作業が済む。 また、最後まで巾の広い板材が取れるので無駄が出にくい製法になっている。 しかし右端から4枚目までは反り曲がり等、変形する。

製材方法のまとめ

柾目挽き製材方法

  • 出来上がった製品の品質は非常に良く、ウッドデッキとして安心して利用できる。
  • 生産に多くの手間がかかり価格は高め。
  • 生産量は板目挽き製材法より少ない。
板目挽き製材方法
  • 生産手間が少なく短時間で作業をすることが可能。
  • 端部材も製品となるので生産量は柾目挽き製材法より多い。
  • 容易に変形する板目材が30~40%出来てしまう。
私共の供給させて頂くウッドデッキ材すべて 柾目挽き製材をして生産された物だけに限っています。 つまり、長期間安定した状態でご利用頂けます。
人工乾燥はなぜ大切なのか?

未乾燥な木材から水分が抜ける事で起こる問題

  • 収縮して板巾が小さくなる。(12cm巾で、8mm 程度収縮する場合もある)
  • 収縮の仕方が不均衡だとひずみにより亀裂が入る。
  • 板目挽き材の場合は、芯側に引かれる様に反り曲がる。(ビスを抜く事もある)
  • 太陽の当たる面と反対側では収縮率が大幅に違い、弓の様に反り返る。
乾燥が不十分なウッドデッキ材を使って工事をすれば、設置したそのときから乾燥が始まり、上に書いた状況がお金を掛けてせっかく作った皆様の家の ウッドデッキで展開されるのです。 人工乾燥をすると、どうなるのか(含水率15%以下まで調整)
  • 含水率15%は外気とほぼ均衡状態になるので水分が出て収縮することが減る。(巾が安定)
  • 人工乾燥中に変形する部分は加工でそぎ落としているので板の形状が安定する。
  • 水分の抜けによって起こされる亀裂の発生が抑制される。
  • 人工乾燥材の特徴は、言い方を変えれば水分が抜けて変形が終わっていると考えてみると容易に理解が出来る。
※ 「天然乾燥済み」としているウッドデッキ材は常温に置いて自然に乾燥させた物で、楽器に使う木材のように10年以上の時間を掛けて乾燥した物は安定した良い物ですが、ウッドデッキ材の市場で取引されている「天然乾燥済み」製品は長くても常温に1ヶ月程度置いて製品とした物が多く含水率も20%以上の仕上がりです。 含水率20%以上のウッドデッキ材は設置後、まだまだ収縮をしますので変形、割れなどが入りやすい事があります。

生産管理方法

私たちの協力工場はインドネシア国内、カリマンタン島、中部ジャワ島の2カ所にあります。 各工場に私たちの熟練した社員が常駐しウッドデッキ製品の管理を行っています。 その作業内容は製材、乾燥、加工、検品、梱包、船積みなど多岐にわたっています。

 
  • 原木からの製材
    • 安定した柾目挽き材の製品を生産するため、生産の初期段階から詳細な打ち合わせをして的確な製材をする。
    • この過程をおろそかにすると製品化出来ない原材料、作業費が無駄になり生産高が減少しコスト上昇を余儀なくされ工場そして私たち双方に大きな負担増。
  • 製材品の乾燥
    • 製材された板材が良く乾燥するように桟積みされた隙間は適正か否か確認する。
    • 人工乾燥室に入れる前の作業として風通しの良い日陰で表面の水分を充分に発散させる。
    • 樹種、寸法により様々なタイムスケージュールに沿って乾燥作業をする。
  • 加工
    • 乾燥室から出された板材は内部温度が下がり膨張した状態が収まるまで充分に冷却し安定した寸法で加工が出来るまで時間をおきます。(おおよそ5日~7日間)
    • 4面いっぺんに加工が出来るモールダーマシンに材料を送り鉋がけした製品にします。  加工に用いる刃物の形状、位置などを細かく点検、調整し指定どおりの寸法に仕上げ。
  • 検品
    • 仕上がった製品に寸法の誤差、ひび割れ、形状相違、鉋が掛かり切らない等の欠点がないか検査をする。
    • 製品によっては色合い、虫穴の有無などを検査項目に入れることもあります。
  • 梱包、船積み
    • 乾燥材は運搬作業中に雨が降ったりしても問題のないようにビニールシートでカバーし荷崩れなどの事故が起きないようしっかりとした梱包に仕上げる。
    • 海上コンテナーに梱包を積み込む際にキズを付けたりしないように慎重な作業をする様に生産工場側と協力して作業を行います。

生産管理方法のまとめ

  • 始めから終わりまで現場に居るからこそ出来ること
    • 生産者側の利点として、出来上がった製品を良い物悪い物と検査する方法では、不良品発生率が非常に高く生産工場は高いリスクを負わなければなりません。しかし、常に買い手側の要求する品質が明確に生産現場へ伝えられ、誤った方法で生産されることを未然に防げるため生産ロスを少なくできます。
    • 買い手側の利点としては、生産者に貢献する事で高度な品質要求でも容易に受け入れられ尚かつ信用を得て継続的に商取引が出来る。 また、生産現場の状況を的確に把握出来るため納期が明確化できお客様にきめの細かい情報提供が出来ます

安定した製品を皆様に供給し、安心して長く使って頂けることが最大のサービスだと思っています。

ウッドデッキ材などをお選びになる際には価格だけでなく、製材方法、人工乾燥されているか等に留意してご検討下さい。